創造的読書について『知的生産の技術』梅棹忠夫
インプットやアウトプットについて、あらためて考えたいなと思い始めています。
というわけで、梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』を読み返しました。
京大式カード
この本からは、京大式カードが有名ですね。
ノートではなく、カードに、1項目1枚で書いていく。情報をカードに書き出す。
こうすると、情報を見える化できて、これらのカードを組み合わせて、発想することなどができるということです。
カードは分類することが重要なのではない。くりかえしくることがたいせつなのだ。いくつかをとりだして、いろいろなくみあわせをつくる。それをくりかえせば、何万枚のカードでも、死蔵されることはない。
分類するためというよりは、知識や情報を組み合わせる、ここが大切ということです。
同じようなことを、こちらの『ゼロ秒思考』でも、考える方法として、赤羽氏が紹介されています。
頭が良くなるメモの取り方『ゼロ秒思考』【読書】 - 読書で本から学ぶブログ
情報をカードに整理して、発想する、考える。こういうことです。
読書カード
読書についても書かれています。読んだら、読書カードを書く。
何を書くかというと、「発見」や考えたことを書くということです。
本の著者に対しては、ややすまないような気もするが、こういうやりかたは、いわば本をダシにして、自分のかってなかんがえを開発し、そだてていくというやりかたである。もっぱら読書のたのしみを享楽するのもいいが、それはいわば消費的読書である。それに対して、こちらは生産的読書法ということはできないだろうか。あるいは、また、このやりかたなら、読書はひとつの創造的行為となる。著者との関係でいえば、追随的読書あるいは批判的読書に対して、これは創造的読書とよんではいけないだろうか。
読書をして考えたこと、思ったこと、自分が発見したことを、カードに書く。読んだことから、創造する。そういう「創造的読書」をするということです。
創造的読書
本をどう読むのも自由なのでしょうけれど、私は、こういう読書がしたいと思っています。
たとえば、この本であれば、今の時代なら、紙のカードよりも、Evernoteなどのデジタルのほうが良いのだろうなとか、デジタルで京大式カードのように行うにはどうしたら良いか。ブログでもできるかもしれない。1枚1項目ということは、ブログよりも、Twitterかも。
といったことを考えるなどでしょう。
創造的インプットとアウトプット
この本では、他にも「文章術」や日記といったことについても、書かれています。当時と今ではだいぶ変わっていることも書かれていたりします。原稿は原稿用紙に書く、とか。今は、原稿用紙に書く人はあまり多くないのではないでしょうか。
こういうことに対して、今の自分ならどうするか。そういうことを考えながら読むと、「創造的読書」につながっていくでしょう。
何かをインプットするときも、そしてアウトプットするときも、創造的にする。
こういうことをやっていきたいと思います。
この本、1969年に出版されたようです。インプットやアウトプット、知的生産のその基本などを知るのに良かったです。 ときどきこういう古典を読み返すのも良いです。
それから、パソコン、ネット、クラウドと変わってきていて、使えるツールも増えてきています。今ならどうやると、もっと良いかを考えるなどしたいところです。
次の記事
現場主義の知的生産法。いつ書くか? - 読書で本から学ぶブログ
そう言えば、読書も、Kindleなどの電子書籍も出てきていますから、電子書籍での読書術というのもあるのかもしれませんね。