人を動かす『説得とヤル気の科学』7つの要因
今日は、こんな本を読みました。
『説得とヤル気の科学』
説得とヤル気の科学 ―最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/01/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人を説得して、動かすには、ヤル気が重要ということで、説得とヤル気について、科学的にわかっていることなどが書かれています。
人を動かすのは、操ることではないのか?
この手の話だと、人を動かすというのは、操ることなのではないか?という話があります。
本書では、操るというのではなくて、どうやってその気にさせるかということが書かれています。
そして、相手には拒否することもできる、無理にやらせるわけではなくて、やりたくなるようにするには、ということを説明されています。
人をヤル気にさせる7つの要因
- 帰属意識
- 習慣
- 物語の力
- アメとムチ
- 本能
- 熟達願望
- 心の錯覚
これだけ見ても、よくわからないものもあると思います。
簡単に説明すると
1.帰属意識
他人とつながりたい、他者とのキズナを大切にしたい、そういう欲求が人にはある。
そういうものを感じてもらって、人に動いてもらう。
その方法について説明されています。
2.習慣
習慣によって、人は動いているところがあります。
その習慣を活用することで、人を動かしやすくなるということです。
3.物語の力
ストーリーで人は動くところがありますね。
感動して何かをしたくなる、ということもあります。
人は、「自分についての物語」を持っていて、その物語にあったことを行いやすい。
だから、相手の物語を知って、伝えるなどすると、動いてもらいやすいということです。
4.アメとムチ
これは、有名なので、説明はいらないかもしれません。
報酬と「罰則」で、人を動かすということです。
このあたりを、科学的に考えるとどうなるかということが説明されています。
5.本能
本能の欲求に、働きかけることができれば、人は動きやすいということです。
食べるなどは、本能的な欲求でしょう。
そこに働きかけて、人を動かす。
そういうこともできるということです。
6.熟達願望
知識や技を身につけたい、上達したい。
そういう願望がある人は多い。
だから、こういう願望を達成できるように、伝えると動いてもらいやすいということです。
7.心の錯覚
心や認知は、錯覚することがあります。この錯覚を利用して、人を説得しやすくする。
そういう方法を書かれています。
ここは、あまり知られていないことが書かれていたように思いました。
錯覚を利用して、人を動かす。そういう方法も知ることができます。
熟達願望
どれもそれぞれ説明することはあるのですが、全部書くと長くなるので、一つだけ。
熟達願望がある人には、こういうことをやると、上達できる、何かを達成できる、だから、やってみて、と伝えると、動いてもらいやすいのだろうと思います。
プログラミングなどを上達したいという人には、こんな本を読んで、こういうものを作ってみると、上達できるよとか。
SEとして、こういうことを知っていると、プロジェクトがうまくいくよ。
などと伝えると、学んで、自分を変えていくという方向に進みやすいのではないでしょうか。
これが会社のやり方だから、とか、こっちのほうが低予算だからとかではなくて、自分が上達するから、やってみたら、というほうのが、心に響く。
そんな感じだと思います。
組み合わせ
そして、他のことも、その人や状況によって、組み合わせて使うと、より説得力が増して、動いてくれるようになる。
自分から動くようになっていく。
そういうことなのだと思います。
本書では、かなりの数の方法が紹介されています。
これだけたくさん紹介されているのは、なかなか他にはないと思います。
普通に読んでもおもしろいのですが、そういう意味でも、読んでみるとお得だなと思いました。
(ここまで書いてきて思うのは、こういうことを書くと、上から目線ということがあるのかもしれませんが、仲間や同僚でも同じではないでしょうか。あとは、動かそうとする目的、理由が大切かなと。仕事で技術やノウハウを学んで欲しい人には、こういうことを知っておいて、ヤル気になって、勉強したくなるようにできれば、その人にとっても、会社にとっても、同僚にとっても、悪いことではないでしょうから。)
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説得とヤル気の科学 ―最新心理学研究が解き明かす「その気にさせる」メカニズム
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ
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