重要なことに集中するために、不完全の勇気を持つ『京大・鎌田流 一生モノの時間術』
今日は、こちらの『一生モノの時間術』を読みました。
時間を有効活用する小さなノウハウがいろいろと紹介されています。
それらのノウハウの中から、気になったものを紹介しつつ、感じたことなどを書いていきます。
去る者追わず法ーー不完全の勇気を持つ
何事も、どうしてもうまくいかないときはすっぱり「あきらめる」というのが、時間の戦略上もっとも正しい態度だと思います。
なかなかうまくいかない。
そういうことは、あきらめる。
そんな態度が、時間から考えると、有効ということです。
たしかに、うまくいくことというのは、スムーズに進むことが多いです。
逆に、うまくいかないことは、スムーズにはいかないことが多い。
だから、うまくいかないことは、ある程度やってみたら、あきらめるというのが良いのでしょう。
これが、なかなかむずかしいところだと思いますが。
不完全である勇気ライン
あらかじめ「ここまではできなくてもいい」というラインを設定しておきます。人はどうしても自分の作業量を多めに見積もってしまう傾向があるので、自分ができると思う仕事の7割くらいでラインを引くのが妥当だと思います。
これを私は「不完全である勇気ライン」と呼んでいます。最低でも、ラインの上にある仕事だけ終わっていればいい、という状況にしておくのです。
優先順位を決めたら、その順番から上位7割ぐらいをできるようにする。3割ぐらいはできないとしても良しとする、ということです。
完璧主義ではなく、「不完全主義」とでも言うのでしょうか。
これぐらいで良いというところを、あらかじめ決めておく。
こうすると、去る者追わずで、あきらめやすいということなのだと思います。
どこで損切りするか、あきらめるか
どこであきらめるか、というのは、ある意味どこで「損切り」するかに似ているでしょう。
ここまでやってきたのだから、もっとがんばって成功させるという考え方もある。
その一方で、ここまでやってもできないのだから、他のことをやったほうが良いという考え方もある。
これは、そのやりたいことにもよるでしょうし、次にやりたいことがあるかないかなどによっても変わってくると思います。
選択や意思決定になってくると思いますが、不完全でも良しとするのか、しないのか。
日頃の仕事であれば、ある程度決めておいて、もっと大きな目標の場合には、やはり迷うというところなのかもしれません。
とりあえず取っておくクセを止めるために
原則として、捨てるかどうかで迷ったら、「迷わず」捨ててしまいましょう。迷ったら資料が必要になる可能性は稀なのです。
どうしても捨てられない人は、段ボール箱を一つ用意します。そこに日付を大書した資料を放り込みます。「1カ月」「3カ月」と一定の期間が過ぎ、一度も使わなかった資料は自動的に捨てていくようにします。これなら、安心してどんどん書類を処理できるようになります。
モノを取っておく。捨てられない。
そういうのはあります。
そうすると、モノだらけになって、モノを探す時間がもったいない。
だから、捨てるかどうか迷ったら捨てる。これが基本ということです。
普通は、迷ったら取っておこうと思ってしまうものでしょう。これをまずは変える。
そして、それでも捨てられない人は、段ボール箱を用意して、そこに仮に捨てていくと良いわけです。
それでも使わなかったとしたら、その段ボール箱を捨てれば良いでしょう。
完璧にやるということを捨てる
時間がかかってしまう。思った以上に、時間がかかる。
その理由の一つに、完璧主義、完全主義。思ったとおりに進めたいという気持ちがあると思います。
たしかに、そういう気持ちが、より良いものを生み出すことにつながるのですから、大切です。
しかし、すべてを完璧にするには、時間は十分あるとは言えません。
重要なことに集中する、全力をかけるために、捨てる必要があることは捨てる。
そういうことの大切さがわかります。
考え方としては、こちらの『ワン・シング』に似ています。
重要な1つのことに集中するには?『ワン・シング』【書評・感想】
重要なことに集中するために、完全主義を捨てる。
不完全でいることの勇気を持つ。
すべてをうまくいかせたいと思い始めると、なかなか判断がむずかしいところですが、重要でないことは捨てる。
そういうふうにできるようになると、時間を有効に活用しやすくなるのだろうと思います。
捨てることで「できた時間」で、大切なことをより完全に近づけられるでしょうから。