意見の違いを乗り越える「人間力」とは?『フェルドマン式知的生産術』
昨日は、こんな本を読み返しました。なんとなく手に取ったのですが、参考になるところがあったので紹介します。
WBSコメンテイター、モルガン・スタンレーMUFG証券チーフ・エコノミストのフェルドマン氏が書かれているものです。
知的生産術について書かれている本で、これからの時代に必要な「7つ道具+1」を紹介されています。
目次
1章 混沌から意味を引き出す「分析力」
2章 逆算して組み立てる「プレゼン力」
3章 意見の違いを乗り越える「人間力」
4章 下品になってはいけない「数字力」
5章 見落としがちな「時間・エネルギー管理力」
6章 “ハブ性"で勝負する「言語力」
7章 自分ブランドで差別化する「商売力」
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8章 組み合わせて動かす「結合力」
7つ道具+1とはこれらの8つの力のことです。
それぞれ詳しいことは読んでみてください。これらを場面や問題に合わせて掛け合わせることが大切ということです。
とくに印象に残ったのが「意見の違いを乗り越える「人間力」」です。ということで、こちらをご紹介します。
意見の違いを乗り越える「人間力」
人それぞれ意見は違います。そんな意見の違う人たちと協力して仕事を行う。そのための考え方などを紹介されています。
人間力は大きく三つに分けられます。
一つ目は会話力、二つ目は交渉力、三つ目は人観力(人を見る力)です。これらを総合して発揮されるのが人間力です。
人間力は、会話力、交渉力、人観力の三つでできているということです。
それぞれについてさらに説明されています。それは読んでもらうとして、意見が対立する三つの原因を紹介します。
意見が対立する三つの原因
①情報の違い
②解釈の違い
③損得の違い
たしかに、こんな違いがあると、意見が対立する、違う意見になるでしょう。
これらを、会話や交渉で乗り越えていく。そういう方法、考え方が書かれています。
とくにこれらの三つを意識して会話をすると、むずかしいことではあるけれども、何が違うのかがわかりやすくなるので、意見の違いを見極めやすくなり、対応しやすくなるということです。
人を見極める力
チームを組むときの人選については無数の基準がありますが、ここでは私の考えを述べましょう。
軸は二つだけ、「協調性」と「能力」です。
協調性があり、能力がある、そんな人が理想ということです。
人間関係をつくるというときには、とくに協調性が必要になりますよね。能力があっても、人とうまく協力できないと、大きなことはできません。そういう意味で、人間関係や会話といったものは大切なのだと思います。
自分の知識の正しさを証明するためなどに、人をけなすなどする人がいますが、それでは協力できない人となってしまい、意見の違いを乗り越えて、仕事を進めることはむずかしいでしょう。
会話をするのであれば、相手の間違いを指摘することなく、「こうすると良いですよ」と言えるかどうか、まずはこういうことだと思います。 それは、リアルでもウェブでも同じことだと思います。
人と協力する姿勢を示す
要は、人と協力するつもりがあるということを示すことが大切なのだと思います。
協力してやりましょう、ということを言葉や行動で示す。本書では、交渉法についても書かれていますが、交渉の目的はお互いにとって良いようにすることであって、自分だけが得をする、相手から奪うということではないでしょう。
人間関係を協力的につくろうとする。そういう姿勢が力を合わせるには、まずは必要だと思います。
そして、これは、リアルでもウェブでも同じのような気がします。ウェブでときどき見かけるのは、いきなり批判する人です。そういう人とは、ウェブであっても、現実でもなかなか協力したいとは思わないでしょう。初対面で批判する。そういう人が協力できるとはなかなか思いにくいですから。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
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